「マイホームを建てる」といっても、その取得の方法は主に次の4つのパターンに分類することができます。
- 土地を用意し、建物を建てるパターン
- 建売住宅を購入するパターン
- 売建住宅を購入するパターン
- 中古住宅を購入し、リフォームするパターン
どのパターンでマイホームを取得するかによって、建物取得までの「スケジュール」や「手続き」が大きく異なります。
この記事は、マイホームを取得する上記の4つのパターンの特徴と注意点について記載しました。
最適なマイホームの取得方法を選ぶきっかけになれば幸いです。
土地を用意し、建物を建てるパターン
土地を用意してから、建物を建てる場合です。
この場合は、十分な時間と資金が必要になります。
言うわずもがなですが、建物を建てるためには、必要な部屋数や部屋面積を満たす広さの土地が必須です。
すでに所有している土地があればいいですが、所有していなければ購入したり親から譲り受けて土地を用意します。
土地が用意できたら、その土地に自分好みの間取りを実現してくれる建設会社・ハウスメーカー・設計事務所でマイホームを建てることができます。
予算と希望に合わせて、建物のデザイン・構造・間取り・設備を自由に選び、納得いく家を実現できるため、自分好みの不動産を所持しているという高い満足感を得ることができます。
ただし、選択の幅が広い分、ある程度の知識が必要ですし、建物が完成するまでに時間や手間を要します。
なお、土地を用意する際に注意したい点を下記に挙げました。
- 土地の建築制限規制に注意する。
- 土地のローンは住宅ローンとは別契約の場合がある。
下記でそれぞれ説明しますのでみていきましょう。
土地の建築制限規制に注意する。
同じ広さの土地であっても、土地の所在地が異なれば、法律の規制や県の条例などによって、建てることができる建物の大きさや高さが異なります。
土地を購入する前には、どの程度の広さの建物が建てることができるか、事前に確認しましょう。
土地購入後に希望していた家が建てることができない、という事態は避けなければなりません。
土地のローンは住宅ローンとは別契約の場合がある。
土地を用意した後で建物を建てる場合は、土地の購入と建物本体の購入は別契約なので支払いが別々です。
土地の購入時に組むローンと建物本体の購入時に組むローンは別契約になる場合があるので注意が必要です。
つまり、土地のローンと建物本体のローンが別契約になると、建物が完成する前に土地のローンの支払いがスタートします。
十分な自己資金を用意し、どの時期に、いくら支払う契約にするのかを確認しながらスケジュールを管理する必要があります。
建売住宅を購入するパターン
土地と建物をセットで販売している商品が建売住宅です。
既に建物本体の工事が完成している場合であれば、時間や手間をかけずに購入することができます。
土地と建物をセットで購入できるということは、土地と建物のローンを一緒に組むことができるので資金計画を立て易いのが資金面でのメリットです。
ただ、建物のデザイン、間取り、設備などを自分好みの希望に合わせて一から作るわけではないので、既に立てられた建物や設備の仕様の面で、ある程度の妥協が必要になるでしょう。
なお「建売住宅」といっても、既に建てられた建物に限られず、建築途中や着工前の段階で販売されることもあります。
法律 ( 宅地建物取引業法 第33条) では、建築確認済証の交付を受ければ広告( 販売)することができるためです。
未完成の建売住宅の購入を検討する際には詳細な図面や仕様書をもとにして、間取りや広さをよく確認し、しっかりと納得してから購入するようにしましょう。
建物が完成した後に内覧してみると、思い描いた家とのギャップが大きかったため、契約を取り止めたいと考えていても、契約書の内容で契約を解除できない場合がほとんどです。
売建住宅を購入するパターン
あらかじめ建物の工事を頼む建設業者を決めた上で土地を購入するのが売建住宅です。
取り決めをした建設業者以外で家を建てることはできませんが、特にこだわりがないようであれば建設業者を選定する手間が省けます。
また、土地を探していると「建築条件付き」という売地を見かけるかもしれません。
建築条件付きの土地とは、「一定期間内に、不動産販売業者が指定した建設業者で家を建てる」という条件がついた土地です。
建設される家の仕様は指定された建設業者が大まかに決めているので、ある程度の範囲内で購入者の意見が取り入れられる、というのが実情です。
ゼロから思い通りの家を設計できる注文住宅とは大きく異なり、どちらかというと、建売住宅に近いと言えるでしょう。建築条件付きの土地は「売建住宅」と呼ばれることがあります。
購入時にはどこまで自由に設計できるのかを確認するようにしましょう。
また、基本的に土地と建物代金を一緒に住宅ローンで借りることはできませんので、契約時には支払いの時期を確認しましょう。
中古住宅を購入し、リフォームするパターン
中古住宅 ( 既存の建物と土地 ) をセットで購入した後で、リフォームする場合です。
新築よりも中古住宅の価格の方が手に届きやすいのがメリットです。
中古住宅を購入しておいて、時期をみて建替えやリフォームをするほうが資金計画に無理がない、という理由から中古住宅が見直されています。
とはいえ、建築後の経過年数が長くなれば、外観や内装の汚れが目立ち、キッチンなどの設備も古くなっており、一定のリフォームが必要になるのが一般的です。
リフォーム箇所は、キッチン、浴室、トイレ等の交換、壁・床や畳の張り替え、窓のサッシの取り替えを行うことが多いです。
費用は100万円〜200万円程度でリフォームする場合が多く、購入時にどの箇所にどの程度のリフォームを行うか決めておかないと資金繰りに齟齬が生じます。
なお、建物の目に見える部分はチェックすることが簡単ですが、目で視認することができない「建物の構造」や「設備配管」に不具合がある可能性が高いです。
購入時に計画していたリフォーム計画が、壁を剥がしてみたら配管の劣化がひどくて交換しなければならなくなるケースもありますので、資金計画にある程度の余裕があると安心です。
建物の築年年数や性能によっては、ローンの融資額や借入金利が変わることがあるので、購入予定の中古住宅とローンとの適性を考慮する必要があるでしょう。
以上がマイホームを取得する主な4つのパターンにおける特徴と注意点です。
ここまで説明してきたことはマイホームを建てるための最初のステップですが、どのパターンでマイホームを取得するかの決断を下すのが最も難しいといっても過言ではありません。
最初のステップだからこそ、時間を割いてゆっくり計画することも大切ではないしょうか。

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