建築

快適に住みやすい間取りのヒント – 1 – 吹き抜け編(断熱性能)

家を建てるとき、間取りについて頭を悩ませる人は多いでしょう。

「最近の間取りは住みやすいのかしら?」
「開放的な間取りにしたいけど、吹き抜けをつくると冬は寒いの?」

この記事はそんな悩みを持った方へ向けて書いています。

こんにちは。
僕は宮城県の亘理町で「一級建築士事務所さざんか」という設計事務所を営んでいる、代表の佐々木ささき 信雄のぶおと申します。

家族の人数や構成、年齢、住まいに求めるものなどに応じて、理想的な間取りも異なりますので、「これがベストな間取り」とは言い切れませんが、今回は建築士としての視点で、間取りを考えるうえでの「吹き抜け」をつくるときのコツを紹介したいと思います。

それではまいりましょう。

断熱性能が高いほど、開放的な間取りが可能です。

「吹抜け=寒い」といわれていますが、断熱性能が低い建物ではたしかに当てはまります。

つまり、建物の断熱性能がすぐれた建物であれば、吹抜けがある開放的な間取りにしても寒くはありません。

むしろ、断熱性能が高い建物であれば、吹抜けをつくることによって家全体が均一な温度になるため快適で健康的な住まいになります。

つまり、建物の断熱性能によって、間取りの自由度も変わってくるのです。

では、建物の断熱性能が高い家であるかどうかを、どのようにして判断すればいいのでしょうか?

建物の断熱性能は外皮平均熱貫流率がいひへいきんねつかんりゅうりつUA値ユーエーち )をもとに判断しましょう。

建物の断熱性能はUA値で判断できます。

住宅の断熱性能は、外皮平均熱貫流率がいひへいきんねつかんりゅうりつUA値ユーエーち )で評価することができます。
国土交通省説明参考資料 6ページ 住宅における外皮性能

UA値とは、室内と外気の熱の出入りのしやすさの指標です。

UA値が小さいほど、熱を通しにくい家であることを意味します。
UA値が小さいほど、「断熱性能」や「省エネ性能」が高いということになります。

なお、計算方法は「外壁・窓、屋根(天井)、床」などの各部位から逃げる熱量(熱損失量)を建物の外皮面積(外壁・屋根(天井)・床の面積の合計)で割って求めます。単位は、W/㎡・Kワットパーヘイホウメーターケルビンです。

高断熱住宅の目安はUA値がいくつ?

UA値が 0.46 以下であれば、吹抜けがある開放的な間取りにしても冬は寒くなく、家全体が均一な温度になるため快適で健康的に暮らすことができます。
(UA値が0.46以下という基準は、日本で一番厳しい北海道の基準)

なおUA値を低くするためには、断熱性能を高めるために建設コストが高くなりますが、家全体の断熱性能が高ければ、家全体が均一な温度になるため冷暖房をこまめにつけなくても良くなるので、光熱費を節約できます。
国土交通省説明参考資料 12ページ 省エネ基準に適合させるために必要な追加的コストの試算例(住宅)

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