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3万円台の光造形3Dプリンターを導入するまでの僕の道のり

建築模型の部材を制作するため、光造形3Dプリンターの導入を決心するまでの道のりの話です。

  1. 3Dデータはプリントできることが分かった。
  2. 3Dデータをなんとか作成できたので印刷方法を探す。(3Dプリント請負業や機材の時間貸しをしている業者がいるため。)
  3. 熱溶解積層方式の3Dプリンターの時間貸しサービスをホームセンターで利用したが品質に満足できなかった 。
  4. 光造形方式という出力方法があることが分かった。キレイに印刷できるらしい。
  5. 光造形方式プリントサービスの見積を2社から取得したがどちらも高額だった。
  6. 3万円台の光造形3Dプリンターを発見。
  7. 購入しました。

導入まで約6ヶ月かかってます。

3万円台のお買い物でしたが、失敗したくありませんでしたので、様々な検討をしましたが

購入した機種はPhorozen sonic mini 4k です。

使用してまだ4ヶ月目ですが、使い続けてみた感想は比較的満足してます。残念な点は3回に1回は印刷失敗することと、洗浄・2次効果の作業がだんだんと面倒になってきたこと。

この僕の体験がこれから3Dプリンター導入の検討をしている方の一助になれば幸いです。

模型を使ってプレゼンすると相互理解に役立つ

ぼくは建築士として仕事をしており、クライアントにプレゼンするときは、図面と同時に建築模型を使い、クライアントと設計者 双方の認識の一致を図るように心掛けています。

例えば、図面だけを使って、打合せをしても、間取りが頭の中で思い描けないクライアントが少なくありません。

ですので、視覚で直感的に確認できる建築模型と図面を使うことで間取りの大きさ、高さや配置など、空間を認識しやすくなります。

クライアント
クライアント

想像していた間取りとちょっと違うんだけどなぁ。。

といった問題を極力生じないようにするためです。

設計段階で、クライアントと設計者の双方が、これから建てる建物について、認識の一致を図ることはとても大切だと感じています。

最近は3Dデータを立体として印刷できる時代みたいです。

不器用な僕にとって模型の製作は、細かな作業の連続でそれなりに時間がかかるものでした。

どうにか作業を効率化できないかと調べていくうちに、最近は3Dデータを使用して模型用の部材を出力できることがわかったので、まずは3Dデータの作成方法などをググりました。

出力の際に用いるデータはSTLOBJという形式です。

屋根を作るときに出力した鬼瓦、軒瓦、巴瓦などの部材。 細かなディテールも出力できてます。手作業ではここまで細かに作り込めません。

3Dデータの取得方法 / 取得した後のデータの加工の重要性について

独学で簡単なデータであればアプリで作ることができるようになりましたが、複雑なデータについては、基本的に下記のサイトを使って無料でダウンロードしてます。3Dデータ職人に感謝!

3Dプリンターを運用していくうちに、ダウンロードしたデータをそのまま使っても思った通りの品質で印刷できないことが分かりました。

ですので、次はダウンロードしたデータを加工していきます。

データを加工するってどういうことだよ?ということですが、要は、サーフェイスだけで構成されていて、かつ、サーフェイス同士が閉じていないデータの場合は、ソリッド化してあげる必要があるということです。

加工に使用しているアプリは下記です。(どちらもダウンロード無料)

  • fusion360 (無償体験版をダウンロードする)
  • Blender (機能が豊富すぎて操作に慣れるのに時間がかかる)

fusion360を使ってソリッド化できない場合はBlenderを使い、
Blenderでソリッド化が難しい場合はfusion360で処理するといった感じで、それぞれのアプリの機能を使い分けてます。

◇◇◇データの加工の方法については、これからブログで公開していこうと思ってます。◇◇◇

3Dプリンターのさまざまな種類について

3Dプリンターにはさまざまな種類がありました。

  • 熱溶解積層方式
  • 光造形方式
  • インクジェット方式
  • 粉末燃結方式
  • 粉末固着方式

それぞれの方式によりメリット/デメリットがありましたが、

3万円台という超低価格帯で販売されているのは熱溶解積層方式と光造形方式だけでしたので、この2つの方式に絞って検討しました。

以下がメリットとデメリットです。

熱溶解積層方式リールに巻かれたフィラメント(釣り糸みたいなの)をノズルで熱して溶かして、細い糸を何層も積み上げて台の上で固体化させる方式。 0.3ミリの層で積み上げる。
メリット・ABSやPLAなど固形の材料を熱で溶かして積み上げていくので、取り扱いやすく、比較的安全に使用できる。
・積み上がっていく様子が確認しやすいため、印刷ミスを早期に発見できる。
・積み上がっていく様子が確認しやすいため、印刷風景が映える。
デメリット・印刷に失敗する可能性が高い。
・印刷時間が長い。
・寸法の精度が出にくい。
・表面の仕上がりの荒さが目立つ。
・駆動音 (機種による)
光造形方式液状の樹脂に対して紫外線を当て、樹脂を固化させることで積み上げていく方式。0.01ミリの層で積み上げることができる。
メリット・寸法精度が高いため、高精度な造型が可能。
・表面の仕上がりが滑らかでキレイ。
デメリット・印刷に失敗する可能性が高い。
・印刷時間が長い
・液体状の樹脂を使用するため、取り扱いが面倒。
・液体状の樹脂を使用するため、メンテナンスを必要とし、副資材(紙タオルなど)の費用が発生する。
・印刷が完了した後に、洗浄・乾燥・2次効果する工程が発生する。
・樹脂の単価が高い。
・積み上がっていく様子が確認しずらいので、印刷ミスを早期に発見できない。
・積み上がっていく様子が確認しずらいので、印刷風景が映えない。
・駆動音 (機種による)

建築模型用の部材の縮尺は1/50、1/100 で出力を考えていました。
縮尺した部材の太さが0.1ミリ程度になることもあり、熱溶解積層方式では出力が難しいことが分かっていましたので、高い印刷精度で印刷することができる光造形方式を選択しました。

屋根を構成する瓦部材の収穫完了。続いてこれを洗浄します。

購入した機種について

購入した機種は Phorozen  sonic mini 4k SK本舗バージョン 購入価格¥47,500
Wanhao製レジン 色:グレー 500ml  1本 ¥4,800
SK水洗いレジン  色:グレー 500ml  1本 ¥3,200

合計¥55,500(税抜)

その他の副資材の価格を除いたものです。

日本の代理店を通さず、ネット販売で個人輸入すればもう少し安く購入できましたが、購入後のトラブル、関税、発送国から輸送されるまでの期間を検討した結果、少し割高ですが、日本の代理店から購入することにしました。

まとめ

実際に使ってみて、3回に1回は印刷が失敗したり、室内温度を20度以上に保つ必要かあったり、使用するレジンによって印刷する時の設定を微調整する必要があったりと、印刷に気を付けるべき点が多々ありましたが、初めてキレイに印刷物が出力できた時の驚き、感動や喜びは今でも忘れません。子供の頃に初めて炭酸飲料を飲んだ時とまったく同じです!←大袈裟だな!

屋根完成。これから塗装作業に移ります。色がストライプになってるのは、単にレジン切れだったので、別のレジンを使用しているからです。深い意味はありません。

これからも使い続けて、気づいたことがあれば、情報をシェアしていきたいと思います。

ここまで読んで下さってありがとうございました。(^^)ぺこり

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